◆家づくりのコラム:ハウスメーカーとなぜこんなに違うの?工務店で家づくりを検討する時の坪単価のこと
家を買う際に、その費用がいくらになるのか?というのは誰もが気になるところです。
注文住宅の場合は、特に費用がかかるイメージがありますので、家づくりをはじめる前にだいたいの費用を把握しておきたいですよね。
その際に役立つのが、建築費の目安となる坪単価の価格表示です。
坪単価は、工務店や、ハウスメーカーなどの住宅メーカー、設計事務所がそれぞれの住宅商品の建築費用を基準に設定していますので、住宅会社ごとに異なり、その会社で家づくりをした場合の価格の目安がわかります。
坪単価で各会社の見積価格を比べる際には、坪単価の意味や計算方法を正しく理解しなければ、正しく比較をすることができませんので、注意が必要です。
この記事では、坪単価とはそもそも一体何なのか?ということから、坪単価の計算方法で住宅の費用相場を知る方法、木造住宅における工務店・ハウスメーカー・設計事務所などの建築会社ごとのそれぞれの坪単価の違い、全国の坪単価の目安について解説します。
注文住宅の家づくりをはじめる前に、必ず確認して予算の検討に役立ててくださいね。
坪単価とはそもそも一体何なのか?
家づくりにかかる費用の目安として使われる坪単価ですが、そもそも坪単価とは何のことなのでしょうか?
まずは、坪単価の意味と、その計算方法について確認しましょう。
■ 坪単価とは?
坪単価とは、住宅の1坪あたりの価格をあらわしたものです。
1坪とは、1.818m×1.818m=3.305㎡のことで、1坪の広さは、だいたい畳2枚分です。
土地の売り出し価格として表示されている場合や、住宅価格として表示されている場合があります。
建物の本体工事費だけの価格で計算される場合と、水廻りの設備やカーテン費など全て含めた状態で計算される場合があります。
建築会社によってその内容は異なりますので、坪単価には何が含まれているのかを必ず確認した上で比較検討をしましょう。
■ 坪単価の計算方法
坪単価の計算方法を確認しましょう。
坪単価は、住宅の『本体工事費』を住宅の『延べ床面積』で割ることで計算することができます。
例えば、延べ床面積100㎡、2,500万円の家の場合は以下のように計算をします。
100㎡÷3.305㎡=30.25坪
2,500万円÷30.25坪=82.64万円
ということで、坪単価は約82.6万円ということになりますね。
ただし、住宅会社によっては『述べ床面積』を『施工面積』とする場合もありますので、会社ごとに微妙に誤差が出てきます。
坪単価だけを見て住宅の工事費用を比較する際には、必ず含まれている内容について条件を統一しましょう。
建築会社や住宅の商品別に坪単価に差が出る理由や、注意点については、後ほど詳しく説明します。
建築会社別!坪単価を比較する際の注意点とコツ
家を建てる場合、工務店、ハウスメーカー、設計事務所など建設会社を比較して検討することになりますが、それぞれの坪単価はかなり差があります。
建築会社ごとに坪単価を比較することについては、以下のことを確認してください。
- 工務店・ハウスメーカー・設計事務所の建築会社ごとの坪単価比較について
- 坪単価にはなぜ差が出るのか?坪単価を比較する際の注意点
- 全国の坪単価相場と東京都の相場比較
順番に確認していきましょう。
■ 工務店・ハウスメーカー・設計事務所の建築会社ごとの坪単価比較について
注文住宅を依頼する住宅会社は、工務店、ハウスメーカー、設計事務所に分けられ、それぞれの坪単価は、一般的に以下のようになっています。
- 工務店・・・40万円~
- ハウスメーカー・・・30~70万円以上(一部ローコスト住宅の場合30万円~)
- 設計事務所・・・70万円~
工務店
![]() |
工務店は、坪単価が最も安い水準になっていますが、断熱性や耐震性、設備などにこだわることで坪単価は上下します。 そのため、40万円程度の工務店は多いですが、内容によっては木造住宅でも100万円を超える場合もありますので、工務店が手がける新築住宅の特徴や、工務店独自の強みなどを理解した上で依頼をしましょう。 また、工務店は設計の自由度に縛りはありませんが、設計のデザインが保守的になる傾向があるため、比較的自由度は低い傾向があります。 アフターメンテナンスについては小回りが利くため、親身で手厚いでしょう。
|
ハウスメーカー
![]() |
ハウスメーカーは、標準仕様の内容によってかなり坪単価が上下しますが、大手ハウスメーカーは、坪単価70万円程度が相場となっています。 設計の自由度は低めですが、施工精度は高い傾向にあり、アフターメンテナンスについては、メーカーによってまちまちで、事前にサービスや保証の内容を確認しておくと安心ですよ。
|
設計事務所
![]() |
設計事務所が手がける住宅は、設計の自由度に関しては本当に縛りがなく限りなく自由で、自分に合った設計を期待することができるでしょう。 施工や、工事後のアフターメンテナンスについては、施工を請け負う工務店の力量によります。 実際には、設計事務所の新築住宅は、建築のプロである設計事務所に信頼された工務店しか施工を請け負うことができませんので、その点に関しては安心と言えますね。 ただし、最も設計と工事に手間がかかりますので、坪単価はどうしても高価になります。
|
■ なぜこんなに差が出るのか?坪単価比較の注意点
工務店、ハウスメーカー、設計事務所の坪単価についてお伝えしましたが、工務店同士、ハウスメーカー同士でも坪単価に差が出てくるものですよね。
なぜ、新築工事を手がける建築会社によって坪単価に差が出るのでしょうか?
新築工事の本体工事費に差が出る原因としては、以下のことが挙げられます。
- 家の形状
- 住宅設備や仕様のグレード
- オプションの多さ
- 計算方法の違い
- 含まれている工事の内容
坪単価で表示されている価格に騙されないために、それぞれの内容について順番に詳しく確認していきましょう。
1.家の形状
坪単価は、本体の価格を延床面積で割ることで計算できることは前にお伝えしましたが、述べ床面積が同じ場合でも、複雑で凹凸の多い形状の家と、凹凸の少ないシンプルな家では坪単価は異なってきます。
凹凸の多い家のほうが、必要な材料が多くなり、施工も複雑になり、手間が増えるため、坪単価は高くなるのです。
家自体の形状以外にも、屋根の勾配がきつい場合には施工が難しくなるため、費用が高くなります。
また、家の内部についても、ドアや間仕切り壁の少ないオープンな間取より、部屋数が多く、細かく仕切られている間取りの方が確実に高くなりますよ。
費用を抑えたい場合には、これらのことに気をつけて基本的設計の計画を行いましょう。
2.設備や仕様のグレード
住宅に使われる設備や、内装材、外装材のグレードによっても本体の価格は増減します。
設備とは、キッチンやトイレ、浴室などの設備機器のことで、グレードが高い商品を選ぶほど本体価格は変わってきますよね。
壁紙や床材に関しても、量産品のビニールクロスや合成材のフローリングを使うよりも、布製のクロスや、ヒノキの無垢材のフローリング材を使った方が高くなるでしょう。
予算に限りがある場合は、設備や仕様について予算オーバーしないように気を使いながら選定する必要があります。
3.オプションの多さ
ハウスメーカーの場合に顕著に影響が出やすいのですが、パッケージ化した住宅の場合、標準仕様として設定されている商品を選ぶと低価格で家づくりをすることができますが、標準仕様以外のオプションの商品を選ぶことで、本体価格は増えてしまいます。
又、メーカーによってはオプションの価格がかなり高めに設定されている事もあるので注意が必要です。
パッケージ化された住宅よりも、設計事務所のようにゼロから設計する住宅のほうが、設計に手間がかかる分、価格もアップします。
4.計算方法の違い
坪単価は、本体価格を延床面積で割って計算することはお伝えしてきましたが、住宅会社によって、実は坪単価の計算方法が微妙に異なる場合があります。
微妙に異なるというのは、坪単価=『本体価格』÷『述べ床面積』が一般的なのですが、中には坪単価=『本体価格』÷『施工面積』で計算をする住宅会社もあるためです。
述べ床面積は、詳しく説明すると複雑なのですが、簡単に言うと、住宅全体の屋根と壁に囲まれた床部分のみの面積のことを言います。
対する施工床面積は、述べ床面積には含まれていない外部のバルコニーや、玄関ポーチ、デッキなど、壁や屋根に囲まれていない部分を含めます。
つまり、施工する全てを含んだ面積のことなのです。
上の図の様に述べ床面積と施工床面積では、施工床面積方が大きくなるのがわかりますよね。
そのため、延べ床面積よりも、施工床面積で計算した方が、文字上で表示する坪単価を安くすることができるというわけなのです。
ひとつのトリックですね。
坪単価は住宅をてがける建築会社によって、この様に計算方法が異なる場合があります。特に、計算に使われる『床面積』は述べ床面積なのか、施工床面積なのかということについては、必ず確認した上で条件を統一して比較しましょう。
5.含まれている工事内容
一般的に、坪単価の計算に使われる工事金額というのは、建物本体のみの価格です。
屋外で施される水道工事やガス工事、電気工事などのインフラ設備、空調設備工事、照明機器費用、太陽光発電などの省エネシステム、外構工事費は含まれていないことがほとんどです。
それらの工事金額は、本体価格の20~30%程度となりますので、含まれていない場合は必ず計算して費用相場に含めてください。
ただし、住宅会社によってはこれらの別途工事を含めた価格で坪単価を計算している場合もあります。
坪単価の建物本体工事費に含まれている工事の内容や、設備の内容について、前もって情報を確認しておく必要があります。
もしも別途工事が多い場合には、別途価格になっている工事費用について具体的にどのくらいかかるのかということを確認してください。
■ 全国の坪単価と東京都の住宅坪単価の相場は?
日本全国、様々な住宅会社がありますが、全国各地で坪単価の相場は異なります。
木造住宅の場合の全国各県別の坪単価相場を確認しましょう。
坪単価50万円未満 |
宮崎
|
坪単価50~55万円台 |
青森、鹿児島、徳島、熊本、佐賀、北海道、大分、秋田、鳥取、富山、香川、岩手、長崎、島根、福島、福井、福岡、石川、愛媛
|
坪単価56~60万円台 |
山形、広島、宮城、茨城、岐阜、新潟、山口、群馬、三重、岡山、栃木、高知、山梨、長野、愛知、静岡
|
坪単価61~65万円台 |
千葉、埼玉、兵庫、滋賀、和歌山、京都、奈良
|
坪単価66~70万円 |
大阪
|
坪単価70万円以上 |
神奈川、東京
|
東京都の坪単価相場は、73万円程度となっており、全国的に最も高い水準になっています。
坪単価には理由がある!北村住建の家づくり
北村住建の新築住宅づくりの坪単価は、2つのパターンに分けられます。
- 都内準防火地域の狭小住宅・・・70万円程度
- それ以外の防火規制が厳しくない地域・・・60万円程度
坪単価のみを見ると、工務店の中では、かなり高額に設定されていますよね。
北村住建の坪単価には以下の理由があります。
- 優れた耐震性能『SE構法』認定施工店、『スーパージオ工法』標準仕様
- 断熱材『アイシネン』を標準仕様
- 一級建築士による設計
- 安心の施工技術
順番に詳しく解説していきます。
■ 優れた耐震性能『SE構法』認定施工店、『スーパージオ工法』標準仕様
北村住建は、『SE 構法(木造耐震構法)』の認定施工店。
SE構法とは、不明瞭であることが多い木造建築物の強度や品質を、規格化された材料と構造計算によって明確化した工法のことです。
木造住宅でありながらRC造やS造のようなラーメン構造と同様の手法で建築物をつくり、大空間と強さを共存させることを可能にしています。
◆SE構法住宅の建築実績更新しました
自社設計については、地震対策として『スーパージオ工法』を標準仕様として採用。
スーパージオ工法とは、地盤にスーパージオ材と言われる緩衝材を入れることで、建物に伝わる地震力を減らし、液状化対策を実現する工法です。
住宅に施す地震対策として、低コストで長く安心して暮らせる住まいづくりを提案しています。
この他にも、免震工法、制震構法、高耐震住宅等多数の実績があり、地震が多い日本において、住宅の安全を守ること責任を感じ、広い顧客のニーズに対応しています。
◆家づくりのコラム:耐震・制振・免震構造について
■ 断熱材『アイシネン』を標準仕様
北村住建の住宅は、断熱材に『アイシネン』を標準とした高い断熱性能を実現。
アイシネンとは、厳しい寒さで知られる北米で開発された断熱材で、発泡ウレタン吹き付けによって施工を行います。
認定された技術者した施工ができないため、高いレベルで品質が確保されており、高気密、高断熱な上に高い防音性・遮音性が特徴。
◆家づくりのコラム:断熱材について
一般的に施工されているグラスウールよりも施工価格は高価ですが、より快適な住まいを実現させるために北村住建の家づくりでは標準仕様に採用しています。
■ 一級建築士による設計
北村住建は、一級建築士事務所としての顔も持っています。
一級建築士の資格を持った建築家による設計は、意匠性が高く、暮らしやすく、デザイン性に優れています。
また、施工と設計の距離が縮まりますので、業務の効率化につながり、高い品質を確保しながら高いコストパフォーマンスを実現しています。
■ 安心の施工技術
北村住建は長年、建築家による意匠性の高い建築物を専門に施工を行っています。
意匠性の高い建築において多用される無垢材の材料の特性を見極め、造作家具などに関しては、材料を見極めながら現場施工できる技術力の高い大工を抱えています。
設計事務所ならではの高精度の監理体制と、優れた技術力を持った協力業者によって、他社では実現不可能な建築物を多数実現してきました。
以上の理由から、北村住建の坪単価は設定されています。
住宅を手がける建築会社の坪単価には、必ずそれぞれの理由があります。
安ければ安いなりの、高ければ高いなりの明確な理由があるのです。
家づくりに予算はつきものですが、『安いから』と飛びついたり、『高いから』と嫌煙する前に、その価格の理由について確認してみてください。
そして、理由を確認した上で坪単価を用いた比較検討ができるといいですね。
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。