◆SE構法住宅の現場レポート
皆さんこんにちは!
少しずつ気候も暖かくなり過ごしやすい季節になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、現在東京都内にて施工中のSE構法住宅現場レポートをお届け致します。
さて、皆さんはSE構法というのはご存じでしょうか?
SE構法というのは、建物の耐震構法の一つで非常に強い耐震強度を持ち、現在日本の木造耐震構法において最強の耐震性能を持つと言われています。
SE構法の構造は、非常に強固な柱と梁で建物を支えるラーメン構造の為、木造住宅で柱や間仕切りの少ない大空間が可能になり、解放的な間取りを実現できます。
木造ラーメン構造を実現する仕組み
SE構法はRC造や鉄骨造と同じ手法で構造計算されています。
簡単に言うと建物の強度が数値化されているという事になります。
只、自然の木材は一本一本が均一ではなく、強度がそれぞれの木材によって異なります。
鉄骨やコンクリートの様に均一化がされていないはずの木材で、なぜ構造計算が成り立つのでしょうか?
それはSE構法の独自の技術で開発された、様々な特徴に隠されていました。
SE金物と構造用集成材
まずSE構法を説明する上で最も重要になるのが「SE金物」という独自の技術で加工された、接合部に用いられる金物があります。
通常木造建築では柱や梁を接合する場合、金物や釘などは使用しないホゾ継ぎで接合しますが、断面欠損する可能性があり、強度を低下させる恐れがあります。
SE構法では接合部が破損しない技術を追求し、断面欠損を抑えた金物を使用しています。
又、このSE金物は通常使用される金物の2倍の厚さを持ち、塩水噴霧試験で168年の耐久性能を実証しています。
接合部にこのSE金物を使用する事により、より精度の高い耐震性能を実現しています。
そして先に触れた構造計算についてですが、鉄骨やコンクリート造と同様の構造計算を可能にするため、使用する木材に集成材を使用しています。
柱や梁に使用する集成材は、一本一本の強度検査を実施し、水分量15%以下の含水率基準によって、MSR(マシーンストレステッド)による強度試験をクリアしたもののみを厳選して使用してます。
その為、一定の強度が保たれた材料の均一化が可能になり、建物強度を明確にする構造計算を実現しています。
通常使用される無垢材の約1.6倍の強度を持つSE構法の集成材
その他にも木材が経年変化しても決してゆるまないSボルトや、通常の在来工法よりも3.5倍の耐震強度をもつ耐力壁等、様々な独自の技術によって優れた耐震性能を実現しています。
全ての接合部にSE金物
それでは今回施工中である都内のSE構法住宅で、実際にどの様なものが付いているか確認してみましょう。
現場へ入ると早速まだ設置されていない柱が目に入ります。
既にSE金物が付いた状態の集成材なので、本来設置後には隠れてしまう金物がどの様な形状をしているのか確認する事が出来ました。
このSE金物が柱と梁をしっかりと接合してくれます!
更に奥へ進むと、既にSE金物が付いた構造材で組まれた内部の状態が確認出来ます。
当然ですが全ての接合部にSE金物が付いている様子に少し驚いてしまいました。
確かにこれなら木造耐震構法の最高峰と呼ばれるのにも納得です。
節々に設置されたSE金物、スッキリした骨組みから美しさが伝わります!
このSボルト(中央2つ)でラーメン構造は実現しているんですね
そして2階へ上がると「耐震構法 SE構法」と印刷された床合板が、床一面に敷かれています。
この床合板も又、床に厚さ28㎜の構造用合板を大梁・小梁に直接、釘CN75で固定するようにし、水平構面の剛性を高める事で耐力壁に均一に力を伝達する重要な役割を持っているのです。
バルコニーになると思われる場所にも全て同じ床合板が使用されてます!
残念ながらまだ耐力壁は付いていませんでしたので、今回のリポートはここまでですが、中々日頃見ることが出来ないSE構法の構造が少しお分かり頂けましたでしょうか。
地震から命を守る建物には、様々な技術と知恵が結集されて実現しているわけですね。
これから建物の地震対策を計画されている方は、非常に優れた耐震性能を持つこのSE構法を一つの検討材料にして見てはいかがでしょうか。
03-5671-1080
(9:00~18:00)
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- 作成者: k-juken
- カテゴリー: information, 省エネ住宅, 耐震住宅