◆家づくりのコラム:外壁について
外壁は、住まいを雨や風などの厳しい環境から守ってくれる大切な部分です。
使う材質によって、見た目の印象を左右し、費用や、耐用年数も大きく変わってきます。
外壁を選ぶ際には、材質の持つ雰囲気はもちろんですが、機能性などの特徴も十分理解した上で選びたいですね。
今回は、住宅に使われる外壁の種類や耐用年数、外壁の基本的な工法についてお伝えします。
自身の家づくりに合った外壁を選ぶ際の参考にしてください。
住宅に使われる外壁の種類と耐用年数
住宅に使われる主な外壁の種類として、以下のものがあります。
- サイディング
- モルタル
- ALC
- タイル
それぞれの特徴を詳しく確認しましょう。
サイディング
サイディングとは、乾式工法の外壁の代表的な仕上げ材で、サイディングの中でも窯業系、金属系、樹脂系、木質系等の種類に分けられます。
サイディングのそれぞれの特徴について確認しましょう。
■ 窯業系サイディング(ようぎょうけい)
耐用年数:40年 メンテナンス:7~10年で塗装
特徴
- セメント質と繊維質を主な原料とし、高温の釜で圧力をかけながら成型して作られる
- モルタル調やタイル調、レンガ調等の様々な質感を表現することができる
- 施工性がよい
- 価格帯はリーズナブル
- 豊富な色柄のバリエーションがある
・14mm・15mm・16mm・18mmの厚みが一般的。それ以上の21mm・35mmの商品も存在する
・厚みのある商品は、高級感、質感のリアリティが増すため、住宅の雰囲気がより豪華になる
・厚みによって機能性に大きな違いはない
・継ぎ目に使われるコーキングが劣化しやすい
■ 金属系サイディング
耐用年数: 40年 メンテナンス:10~15年で塗装
特徴
- ガルバリウム鋼板に樹脂系の断熱材を組み合わせ、成型して作られる
- 窯業系に比べて軽量で建物に掛かる負担が少ない
- 金属の薄さから、凹凸の表現が苦手なため、タイル調や石目調はとても安っぽく見えることがある
- へこんでしまうと直しにくい
- 断熱性は期待できない
- 耐久性、耐候性に優れる
■ 樹脂系サイディング
耐用年数: 40年 メンテナンス:15~20年で点検
特徴
- 塩化ビニル樹脂を主成分として成型されて作られる
- 窯業系、金属系と比較してとても軽量で、建物に掛かる負担がより少ない
- 塗装メンテナンスの必要がなく、継ぎ目にコーキングを使わないためメンテナンス性に優れる
- 耐火性に劣る
- デザインや色柄のバリエーションが少ない
■ 木質系サイディング
耐用年数:40年 メンテナンス:7~10年で塗装
特徴
- 無垢の木材を防火、耐水加工して作られる
- 本物の木材ならではの温かみや雰囲気がある
- 断熱性に優れる
- 経年変色がある
- 定期的な塗装メンテナンスが必要不可欠
モルタル
耐用年数:30年以上 メンテナンス:5~10年で塗装
特徴
- 水、砂、セメント(骨材、塗料など)を混ぜて作られる
- 湿式の外壁仕上げの代表的な工法
- 耐火性、遮熱性に優れる
- 場で施工するため、技術力が必要
- 迫力と雰囲気のある仕上がりになる
- ひび割れやすい
- ジョリパット、吹付タイル、スタッコ、リシンかき落としなどの仕上げがある
ALC
耐用年数:60年 メンテナンス:10~15年で塗装
- ALCとは、Autociaved Lightweight aerated Concreteの頭文字をとっている(気泡コンクリートのこと)
- 珪石、セメント、生石灰、アルミニウムの粉末などを主性部分として作られる
- コンクリート壁の重さ・断熱性に劣るといった2大欠点と言われる部分を解消している
- 防水のため塗装が必要
- 新築時にはコストがかかる
- 定期的な塗装メンテナンスが必要不可欠
タイル
耐用年数:30年以上 メンテナンス:10年に一度コーキングや接着状況確認
- 石や粘土を細かくしたものを成型し、高温で固めて作られる
- 磁器質、せっ器質のタイルが主流
- 耐久性に非常に優れる
- タイルの種類や目地の通し方によって建物の雰囲気を演出できる
- デザイン性に優れる
- 高価なため、新築時のコストがかかる
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から組成されたメッキを金属にコーティングした特殊金属です。
それぞれの特色を活かした耐久性強化により、長期にわたって錆を防ぐ特徴があります。
耐用年数:30年以上 メンテナンス:10~15年で塗装
- 錆に強く、防水性が高い。
- 軽量なため、耐震性に優れている。
- 外観がスタイリッシュで高級感があり、モダンデザインとマッチする。
- 傷に弱い。
- 施工費がメーカーによって高価になる可能性がある。
- 断熱性がないため、断熱は断熱材に依存する。
スタイリッシュな外観が美しく、多くの建築家がガルバリウム鋼板を採用しています!
外壁工法の基本
住宅の外壁工事に使われる基本的な工法を紹介します。
① 乾式工法
工場で作られた製品を金具などで施工する方法で、水を使わないことからこの名前が付けられています。
以下の特徴があります。
- 施工が簡単で、品質が保たれる
- 工期が短く済むためリーズナブル
- 仕上がりの自由度は低い
- 主流な工法になっている
乾式工法の種類
・釘止め工法
主に14mmのサイディングに使われる工法です。
胴縁と呼ばれる木製の下地に釘でサイディングを打ち付ける工法です。
釘頭が見えてしまうことや、釘頭が錆びてしまうデメリットがあります。
釘頭はサイディングと似た色で塗装しますので、遠目からはわかりません。
・金具止め工法
15mm以上のサイディングに使われる工法です。
サイディングを金具に引っ掛けて固定し、頑丈で、長く美観を保つことができます。
・オープンジョイント工法
住宅では、主に樹脂系サイディングに使われる工法です。
外壁の隙間をシーリングなどで密閉せず、外壁と内壁の間に通気層を設けることで、気圧差をなくし、雨水の侵入を防ぐ工法です。
・タイル乾式工法
乾式タイルに使われる工法で、アルミ製などで作られたベース材にタイルを引っ掛けて施工します。
従来のタイルのように、剥離の心配がなく、工期も短く済む特徴があります。
② 湿式工法
伝統的な外壁の工法で、モルタル壁や漆喰仕上げ、土壁、コンクリート壁、などに使われています。
現場で材料を練り、職人が塗り仕上げていく工法です。
以下の特徴があります。
- 職人の腕前によって仕上がりが左右される
- 高級感や味がある
- 工期がかかる
- 仕上がりの自由度が高い
左官職人によって仕上げられるモルタル壁は一味違います!
住宅に使われる外壁の種類や耐用年数と、基本的な工法の種類についてお伝えしました。
外壁には、さまざまな種類や工法があるため、予算・求めるデザイン・必要な耐久性などの機能性・メンテナンスのコスト・美観の維持に手間をかけられるか?などの特徴に応じて、無理せず付き合える適した材料を選べるといいですね。
◆ 規格住宅ブランド「コノミハウス」についてのお知らせ
現在北村住建では、建築家と造る次世代規格住宅ブランド「コノミハウス」を開始しました。
これまでの実績を踏まえ、デザイン住宅や高級住宅のエッセンスをふんだんに取り入れた、拘りの規格住宅となっています。
今回コラムでご紹介した外壁は、標準仕様でガルバリウム鋼板を使用しており、モダンなデザインにマッチする仕様となっております。
よくある建て売り住宅では満足できない方や、ご予算に限りがあるがデザインにも拘りたい方にピッタリの内容となっていますので、マイホームをご検討のお客様は是非一度ホームページをご覧ください。
▶ 東京のデザイン住宅「コノミハウス」オフィシャルウェブサイトはこちらから
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。