◆家づくりのコラム:浴室について
家づくりのコラム:浴室について
浴室は、身体をきれいにするだけでなく、毎日の疲れを癒す場所でもあります。
最近はある程度仕様が決まっているシステムバスが主流ですが、注文住宅では、浴室づくりもこだわることができます。
今回は、戸建て住宅で疲使われる浴室の種類や、サイズ、設備についてお伝えします。
戸建て住宅の浴室の種類
戸建て住宅で使われる浴室は、大きくシステムバス(ユニットバス)、ハーフユニットバス、在来工法の3つに分けることができます。
それぞれの特徴について、解説します。
システムバス(ユニットバス)
工場で作られた壁・床・天井・浴槽などの浴室ユニットを現場で組み立てるタイプの浴室です。
次の特徴があります。
- 住宅メーカーのショウルームで仕様を選ぶ
- 工期が短い
- 比較的工事費が安い
- 品質が安定している
- 断熱性が高い
- 防水性が高く、漏水しにくい
- 広さ、仕様、デザインに限りがある
ハーフユニットバス
床・浴槽・浴槽の立ち上がり部分までの壁がユニットになっていて、壁・天井を現場で施工するタイプの浴室です。
次の特徴があります。
- 住宅メーカーのショウルームで仕様を選ぶ
- オプションで天井、カウンターもユニットにすることができる
- 防水性を保ちつつ、壁や天井のデザインにこだわることができる
- バリエーションが少ない
在来工法
床・壁・天井・浴槽・水栓・その他の部材を全て1から選び、現場で施工するタイプの浴室です。
ひと昔前の戸建て住宅で主流だったタイル張りの浴室は、このタイプです。
次の特徴があります。
- オリジナルの浴室がつくれる
- どんな広さにも対応できる
- 制限なく大きな開口部がつくれる
- 好きなメーカーの浴槽や水栓金具などの部材が使える
- 工期がかかる
- 防水性が劣るので工事には技術力が必要
- 比較的費用がかかる
浴室の広さの決め方
浴室の広さを決める際には、システムバスの規定サイズである0.75坪サイズ(約1.2m×1.6m)・1.0坪サイズ(約1.6m×1.6m)・1.25坪(約1.6m×2m)サイズ・1.5坪(1.6×2.3m等)サイズから考えます。
在来工法の場合、自由な広さを検討することができますが、最も一般的なサイズは1.0~1.25坪サイズとされています。
それぞれのサイズで、以下の特徴がありますので、浴室に求めるものを検討した上でサイズを決めましょう。
0.75坪サイズ
- 大人一人無理なく入浴できる
- 足は伸ばせない
- 掃除がしやすい
1.0坪サイズ
- 足を伸ばして入浴できる
- 幼児2人程度とムリなく入浴できる
- 大人一人無理なく身体が洗える
- 掃除がしやすい
1.25坪サイズ
- 足伸ばして入浴できる
- 子どもと無理なく入浴できる
- 入浴介護が無理なくできる
- 洗い場でのびのびと身体を洗える
1.5坪サイズ
- 多くの人が「広い」という印象を受ける
- 家族で無理なく入浴できる
- 2人並んで身体が洗える
- 広い分掃除の手間がかかる
浴室の設備
浴室は、いろいろな設備が合わさってできています。
それぞれの設備について、選び方や選ぶ際の注意点などをお伝えします。
■ 扉
浴室に使われる扉は、気密性がよい「浴室用扉」が使われます。
引き戸、折れ戸、開き戸があり、それぞれ次の特徴があります
引き戸
- 少しの力で開閉しやすい
- 身体が不自由な人でも使いやすい
- 入浴介護しやすい
- 比較的気密性が低い
- 設置スペースが必要
- レール部分が大きくなるので掃除の手間がかかる
- 2枚、3枚戸タイプもある
折れ戸
- 気密性が高い
- 設置スペースが少なく済む
- 故障しやすい
- 開閉に力が必要
開き戸
- 気密性が高い
- 構造がシンプルなので壊れにくく、掃除しやすい
- デザインがすっきりしている
- 開くスペースが必要
- 浴室側開きの場合、中で人が倒れた時に開かなくなる
- 脱衣室側開きの場合、水滴が落ちる
操作性の良いハンドルの形状や、安全性などについても考慮して選びたいですね。
■ 床
ユニットバスの場合、床は各メーカーのユニットバスに付随したものになります。
在来工法の場合、防水性の高いタイルが選ばれることが多いです。
床を選ぶ際は、滑りにくさ、足が触れた際の感触(硬さ、冷たさ)、掃除のしやすさ、デザインに配慮して検討しましょう。
床の冷たさを軽減するために、床暖房を設置することもできます。
■ 壁、天井
ユニットバスの場合、ユニットバスに付随したものになります。
在来工法の場合、防水性の高いタイルやパネルや木材から選ぶことができます。
掃除のしやすさ、汚れのつきにくさ、デザイン性、耐傷性などに考慮して、長く美観を保てるものが選びましょう。
■ 浴槽
浴槽は、ユニットバスの場合FRP、人工大理石、ホーローが一般的で、在来工法の場合、これに追加してステンレス、石、木材などから選ぶことができます。
形状や、またぐ高さ、素材など、検討の余地が大きい部分なので、メーカーの商品を選ぶ際は、ショウルームなどで実際の入り心地を試せるといいですね。
実際に入浴体験ができるショウルームのサービスもありますので、目当てのメーカーで開催されていれば、利用してみてください。
■ 水栓
洗い場の水栓と、浴槽につくタイプの水栓があります。
操作方法もボタン式、ハンドル式などさまざまです。
操作性、掃除のしやすさ、デザイン、シャワーヘッドの形状、など、こちらもショウルームで実際に確認できると安心です。
■ 換気扇
浴室の環境を快適に保ち、カビや湿気を防ぐために換気扇は欠かせません。
換気設備だけでなく、冷暖房設備を兼ねたタイプや、浴室の乾燥もできるタイプのものなど、さまざまな機種があります。
暖房機を兼ねたタイプは、冬場の温度差によっておこる急な体調不良のリスクを軽減できるため、人気の設備です。
予算に応じて導入を検討しましょう。
■ 窓
浴室の窓は、ユニットバスの場合、大きさや設置できる位置に制限がありますが、在来工法の場合は自由に設置することができます。
窓が小さい場合、浴室の解放感が損なわれ、自然光が入りにくくなりますが、断熱性を保つことができます。
窓が大きい場合、とても開放的な浴室になりますが、設置する位置に十分注意が必要で、窓から冷気が入るため、注意が必要です。
優先順位を考えて設置しましょう。
■ カウンター
システムバスの場合、標準仕様であることが多いですが、洗い場にカウンターを設置すると洗面器を使う際に屈む必要がなくなり、動作がしやすくなります。
また、シャンプーなどを置くこともできます。
座った際に使いやすい高さになるように計画しましょう。
■ 手すり
浴室は、若く健康な人でも滑ることがあるため、手すりはつけておくと安心です。
出入口付近、浴槽をまたぐ部分、浴槽横にあると、いざという時につかまることができます。
シャワーフックと兼用できるものもあります。
■ タオル掛け、収納棚
浴室で使う物は多く、タオル掛けや収納棚なども新築の際に設置しておくと安心です。
必要ないと思われる場合は、事前にお風呂で使うものをリストアップして、収納場所も併せて検討しておきましょう。
後々必要になると、自分で調達したり、リフォームでつけてもらうことになるため、手間がかかります。
■ 照明
浴室照明は、防水性の高い浴室用の照明を選ぶことになります。
ユニットバスの場合、付随したものから選びましょう。
壁に取り付けるブラケットタイプが人気ですが、掃除がしやすい天井埋め込みタイプも登場しています。
その他、浴室にはテレビ、ミストサウナ、音響設備、ライティング設備、ジェットバスなども設置することができます。
快適な浴室を作るために、必要に応じて設置を検討しましょう。
天窓を設けて採光を取り入れれば、日中でも快適です!
戸建て住宅の種類、サイズの決め方、設備についてお伝えしました。
予算やこだわりに応じて、一日の疲れを癒す素敵な空間ができるといいですね。
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現在北村住建では、建築家と造る次世代規格住宅ブランド「コノミハウス」を開始しました。
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今回コラムでご紹介した浴室に関しても、建築家がお客様の希望に合わせて最適な提案をしてくれる為、建て売り住宅とは違う内容となっております。
よくある建て売り住宅では満足できない方や、ご予算に限りがあるがデザインにも拘りたい方にピッタリの内容となっていますので、マイホームをご検討のお客様は是非一度ホームページをご覧ください。
▶ 東京のデザイン住宅「コノミハウス」オフィシャルウェブサイトはこちらから
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。
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