◆家づくりのコラム:玄関について
家づくりのコラム:玄関について
家族や、お客さんが最初に訪れる空間である玄関は、家の印象を左右する大切な場所です。
玄関は「家の顔」とも呼ばれる部分ですから、窮屈だったり、暗い印象を与える玄関は、「もうこの家には来たくないな…」と思われてしまうことも。
せっかくこだわって家づくりをするのですから、それではもったいないですよね。
今回は、玄関の計画ポイントを紹介します。
使いやすく、ちょうどいい広さで、好印象を与える計画のポイントを確認して、素敵な玄関づくりをしましょう。
玄関計画の基本
日本の住宅の玄関には、基本的に、次のもので構成されます。
■ 玄関扉
屋外から家に入るための扉です。住宅で一般的なものは、アルミ製の玄関扉ですが、木製・スチール製・ガルバリウム鋼板・青銅・ガラスを全面に使ったものなどがあります。
開き勝手も、片開き・親子扉・両開き・引き戸・引き違い戸などがあります。
住まいの雰囲気に合ったものを選ぶことはもちろんですが、防火設備にするなど、敷地条件に合った材質から選ぶ必要があります。
■ 土間
玄関の土足で歩くことを想定した部分のことです。玄関の土間は、耐水性があり、清掃しやすい仕上げとするため、タイル・モルタル・洗い出し仕上げなどが人気です。
■ 玄関框(上り框)
土間から靴を脱いで、一段上がる部分に設置された木材のことです。
見た目が美しく、毎日何度も踏まれる部分なので、耐久性の強い素材が選ばれます。
木材の場合、ナラ・ケヤ・カエデ・ウォルナット・サクラ・ヒノキなどが人気です。
その他にも、大理石や、ステンレスなどの金属、化粧シート仕上げなど、予算と内装に合ったものを選びましょう。
■ 玄関収納
玄関は、靴や傘、ベビーカー、自転車などたくさんのものを収納する必要があります。
玄関を日常的に使いやすく、すっきりさせるためには、玄関収納は必要不可欠なものです。
玄関収納には、靴箱タイプや、クローゼットタイプ、土間から直接行けるウォークインクローゼットタイプの「シューズインクローゼット」も人気です。
■ 照明
玄関を照らす照明です。
すっきりとした印象のダウンライトや、デザインが豊富なシーリングライトなど、内装や広さに合わせて計画しましょう。
買い物帰りや、家族を介助する場合など、玄関では何かと両手がふさがってしまうものです。
玄関は人感センサー付きの照明がおすすめです。
この他にも、必要に応じて玄関には次のものが設置されます。
■ 手すり
家族にお年寄りがいる場合や、将来的なことを考える場合、土間から玄関ホールへ上がる段差部分や、玄関扉の横にタテ手すりを取り付けると、安全に玄関を使用できます。
■ ベンチ
靴の着脱を座って行いたい場合、土間部分にベンチを設置すると動作が楽になります。
置き型のベンチや、壁埋め込み型のベンチなど様々なタイプがありますので、玄関の広さに応じて検討しましょう。
■ フック
玄関にフックを設置すると、一時的な傘掛けや、上着掛け、愛犬のリード置き場、荷物掛けなどに使えて便利です。
常時、カギなどを掛けておく場所としても使えます。
■ 鏡
出かける前の身だしなみのチェックに、姿見や鏡を設置するスペースを設けましょう。
収納の扉に鏡を取り付けることもできます。
■ 式台
土間から玄関ホールに上がる段差を緩やかにするために、中間部分に式台を設置する方法があります。
更に段差を解消するためには、ステップや、段差解消機を設置しましょう。
将来的に設置できるように、玄関の広さは1.5坪以上確保しておくと安心です。
■ 手洗い器
帰宅してからすぐ手洗いが叶うのが、玄関の手洗い器です。
子どもや愛犬の汚れた手足を洗う際や、玄関の土間で行う趣味の活動の際にも役立ちます。
玄関を快適に使うために、必要な設備を検討して、計画しましょう。
収納も造作家具なら一味違います♪
玄関の広さの決め方
広さを検討する際、リビングや寝室に比べて、後回しにされがちな玄関。
「家の顔」とも呼ばれる部分ですから、しっかり考えて広さを決めたいですね。
快適に使える玄関の広さを決める際には、次のポイントを確認しましょう。
■ 家族構成
家族が多ければ多いほど、靴の量や、傘の量などが増えるため、必要な収納スペースが増えます。
また、家族で出かける際に、玄関で靴を履くための順番待ちが少なくなるように、何人か同時に靴を着脱できるスペースを計画したいですね。
■ 玄関を何に使うか?
玄関で何をするのかイメージしましょう。
靴を脱いだり、履いたりするだけの空間の場合、特別広くする必要はありませんが、園芸や自転車修理など、土間を活用して趣味の活動を行う場合には、必要な広さを考慮しましょう。
■ 家の大きさとのバランス
玄関が、家の大きさ(延べ床面積)に対して広すぎたり、狭すぎたりすると、アンバランスな印象になります。
一般的な木造2階建て35坪程度の広さの住宅の場合、玄関は1.5~2坪程度の広さが平均的です。
家の大きさに対して、玄関が広すぎる場合、ほかの部屋の広さを十分に確保できなくなります。小さすぎる場合には、お客さんに窮屈な印象を持たれてしまう場合があります。
玄関の広さは、35坪程度で1.5~2坪を基準として、家族構成や趣味の活動などを考慮して検討しましょう。
失敗しない玄関づくりのポイント
玄関を快適で素敵な空間にするために、抑えておきたいポイントをお伝えします。
■ 内装は清潔感のあるものを
玄関の壁は、意外と手が触れることが多いです。
また、外からのホコリなどが一番入る部分なので、壁も天井もとても汚れやすいです。
玄関の内装は、清潔感を意識して、お手入れや掃除のしやすいものを選びましょう。
良く触れる部分を羽目板やタイルの腰壁にして、汚れに強くするのもおすすめです。
空間も、人も、清潔感があると印象がよくなります。
■ 窓をつけよう
玄関は、方角的にも日当たりを確保しにくく、湿気や臭いがこもりやすい計画になりがちです。じめじめとした玄関は、家全体の運気を下げてしまいそうですよね。
玄関の暗さ、じめじめを解決するのが、窓の存在です。
適度な採風と採光を得られる窓を計画して、気持ちの良い空間づくりをしましょう。
■ 演出スペースを確保
玄関にちょっとした置物や絵を飾っている家庭は多いですが、せっかく多くの人の目に触れる場所ですから、魅せる飾り方をしたいですよね。
演出用の照明を設置したり、ニッチを設けて、飾り物をより素敵に、印象的にしましょう。
■ 狭い場合は視線を上に
玄関の広さがどうしても確保できない場合、一部吹き抜けにする、近くに階段を設置する、室内窓をつけるなどして、視線が上に抜けるようにすると、窮屈な印象がなくなります。
■ コンセントも忘れずに
玄関のコンセントは、掃除道具や、靴乾燥機、自転車など外で使うものの充電など、いろいろなことに役立ちますので、最低でも2口は設置しておきましょう。
玄関計画の基本から、失敗しないためのポイントについてお伝えしました。
「家の顔」とも言われる玄関は、家づくりの際にはぜひこだわりたい部分です。
工夫して使いやすく好印象な計画にできるといいですね。
◆ 規格住宅ブランド「コノミハウス」についてのお知らせ
現在北村住建では、建築家と造る次世代規格住宅ブランド「コノミハウス」を開始しました。
これまでの実績を踏まえ、デザイン住宅や高級住宅のエッセンスをふんだんに取り入れた、拘りの規格住宅となっています。
今回コラムでご紹介した造作玄関収納等、建築家が厳選した豊富なセレクト商品や、北村住建が自信を持ってお勧めできる素材等を使用しており、建て売り住宅とは違う内容となっております。
よくある建て売り住宅では満足できない方や、ご予算に限りがあるがデザインにも拘りたい方にピッタリの内容となっていますので、マイホームをご検討のお客様は是非一度ホームページをご覧ください。
▶ 東京のデザイン住宅「コノミハウス」オフィシャルウェブサイトはこちらから
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。