◆家づくりのコラム:バルコニーについて
「ステイホーム」の風潮を受けて、家でレジャー気分を味わえるバルコニーに注目が集まっています。
これからの家づくりでは、バルコニーの居心地や使い勝手についても一度考えたいですね。
今回は、バルコニーとは何なのか?ということから、使いやすく居心地の良いバルコニーの計画方法についてお伝えします。
バルコニーとは?ベランダとテラスとの違い
最初に、混合して使われることが多い「バルコニー」「ベランダ」「テラス」の違いについて解説します。
バルコニー…2階以上の外に張り出した屋根のないスペースのこと
ベランダ…住宅から外に張り出した屋根付きのスペースのこと
テラス…1階部分から外に張り出したスペースのこと
戸建て住宅の場合は、屋根が付かない「バルコニー」になることが多いです。
バルコニーの計画ポイント5つ!
せっかくバルコニーを作っても、使わないスペースになってしまったらもったいないですよね。バルコニーにはゴミや虫が溜まりやすく、日常的に使用し、掃除をしないと、家が傷む原因にもなります。
バルコニーを作る際には、次のことに気を付けて、使いやすい計画をしましょう。
- 使い方を明確にする
- 室内への通風を考える
- 採光を考える
- 安全な計画をする
- 防犯に気を付ける
順番に詳しく解説します。
1.使い方を明確にする
バルコニーを作る際には、なぜバルコニーがほしいのか、バルコニーを何に使うのかを明確にしましょう。
洗濯を干す、趣味の園芸をする、子どもが遊ぶスペースにする、ビニールプールをする、バーベキューをする、天体観測をする、庭の代わりにする、天気のいい日にご飯を食べる、リビングの延長として使う…
など、できるだけ明確にしましょう。
例えば、洗濯を中心に使う場合には、洗濯機と同じ階で、できるだけ近くにあると便利です。
リビングの延長として使いたい場合、リビングと床の高さや仕上げを合わせる必要がありますね。
バルコニーの使い方を考えることで、適したバルコニーの広さ、仕上げ、出入口(サッシ)の大きさ、位置、他の部屋との関係を考えられるようになります。
2.室内への通風を考える
バルコニーに設置する手すりは、必要に応じて風が通るものにしましょう。
背が高い手すりや、目隠し効果がある手すりは、風を通さず、湿気が溜まったり、バルコニーが苔むすことがあります。
格子の目が粗いものを選ぶ、風通しの穴を設けると効果的です。
3.採光を考える
後付けのバルコニーを作る場合に、注意が必要なのが採光です。
バルコニーを作ることで、下の階が暗くなってしまうことがあるためです。
バルコニーの床をグレーチングにする、採光窓を設けるなど、光を通す工夫をしましょう。
また、通風と同様に背が高い手すりや、目隠し効果がある手すりは光を通さず、バルコニーに面する部屋が暗くなってしまうことがあります。
バルコニーを作る場合は、バルコニー周辺にある部屋の採光についても考えましょう。
4.安全な計画をする
子どもがいる家庭のバルコニーは、転落事故を防ぐために、手すりを越えられないように十分注意しましょう。
とくに、横格子や縦横格子の手すりは、はしごの要領で簡単に登れてしまうため、できるだけ避けてください。
5. 防犯に気を付ける
不審者の侵入経路として、バルコニーに面した窓が選ばれることがあります。
外からバルコニーに入れないようにする、バルコニーの見通しをよくする、防犯ライトをつけるなど、必要に応じて防犯対策を行いましょう。
バルコニーをもっと便利にする設備
バルコニーをもっと便利に使うために、適した設備を計画しましょう。
電気設備や水道設備は、新築時に設置すると配管が隠せるため、外観に影響しませんよ。
・屋外用コンセント
バルコニーにある程度広さがある場合、コンセントがあると、掃除や照明、炊事、イルミネーション用など、いろいろ便利に使うことができます。
・照明
バルコニーにある程度広さがあり、夜間バルコニーを使うことがある場合、照明用の電源を設置したり、照明を設置しましょう。
・水栓
バルコニーの掃除や、ビニールプールなどの水遊び、炊事をする際に水栓は大変便利です。
・収納
掃除道具や、洗濯用品、ハンモック、バーベキューグッズなど、バルコニーで使うものを収納するスペースや収納庫があると便利です。
収納庫が強風で飛ばされないようにする、収納下部の床の傷みなどに十分注意しましょう。
・物干し金物
バルコニーで洗濯をする場合、物干し金物を設置しましょう。
物干し金物は、置き型、壁付け型、軒下につける天吊り型があります。
・オーニング、シェード
日差しが強いバルコニーは、夏場暑すぎて使えない、床からの照り返しなどの問題が生じます。日差しを遮るオーニングやシェードなどを設置するといいでしょう。
・フック
軒下にフックを設置すると、物干し、日よけのシェード、ハンモック、ブランコ、ランタンなど、バルコニーを快適に過ごすためのアイテムを設置することができます。
手すりなど、手の届く位置に設置すると、洗濯、プランター置き場、掃除用具置き場など様々な使い方ができます。
バルコニーを作る際には、使い方のイメージを膨らませて便利な位置につけられるといいですね。
室内との一体感が生まれる段差がなくしたバルコニーが人気です!
そもそもバルコニーとは何なのか?ということから、便利に活用するための計画ポイントについてお伝えしました。
バルコニーを作る際には、事前にできる限りのイメージを膨らませて、使い勝手の良い計画ができるといいですね。