◆家づくりのコラム:ロフトについて
「便利な収納スペース」や「秘密基地」など、魅力的なイメージのあるロフト。
ロフトがあるお部屋は、なんだかワクワクしますよね。
家づくりの際に作ってみたいと思われる人も多いでしょう。
今回は、ロフトとは何なのか?ということから、計画のポイントまでお伝えします。
そもそもロフトって何?
「ロフト」とは、部屋の一部を二層にした上の空間のことを言います。
ロフトと同じ意味合いで使われる室名に「屋根裏収納」や「グルニエ」がありますが、住宅では、だいたい次のように使い分けられます。
・ロフト…書斎、アトリエ、子ども部屋 などの部屋
・屋根裏収納、グルニエ…屋根裏の収納や物置
建築基準法上では、どちらも「小屋裏物置 等」という扱いなので、同じものと認識していても間違いではありません。
ロフトをつくるメリット
「ロフトをつくるよりも、(2階建ての場合)3階建てにした方が使いやすいんじゃないの?」
という質問をされることがありますが、ロフトをつくるメリットを見てみると、その疑問は解決します。
■ 経済的
平屋建てを2階建てにする場合や、2階建てを3階建てにする場合、消防法や壁の量などの構造の規制の厳しさ、確認申請費用などが多く掛かります。
特に2階建てを3階建てにする場合は、その厳しさや費用の増加分は段違い。
ロフトで事足りる場合は、できるだけ階数を増やさないように計画できると経済的です。
■ 部屋が広く感じられる
ロフトは、直下の部屋の天井高を高くしたり、勾配天井にして作ることになります。
その効果で、ロフトがある部屋は通常よりも広々とした雰囲気になります。
■ ロフトは床面積に含まれない
ロフトは床面積に含まれないため、有効に使えるスペースなのに「固定資産税」が掛かりません。
床面積に含まれないようにするためには、自治体によって異なりますが、いくつか条件がありますので、大田区の一例を見てみましょう。
- ロフトの床面積を直下の階の1/2以下の広さにする
- ロフトの天井高を一番高いところで1.4m以下にする
- 直下の階の天井高さを2.1m以上にする
- 開口部はロフトの床面積の1/20以下
- 「部屋」として使えないようにする
部屋として使えないように、ネット回線・テレビなどのジャックを設けないこと、床仕上げは畳やじゅうたんなどにしなこと。などの条件を満たす必要があります。
自治体によっては、固定階段を設けてはいけない場合もあります。
あくまで、「小屋裏の物置」として使うことに限定されていますので、計画の際は注意したいですね。
大田区のロフトの扱いについて引用:
ロフト計画のポイント
便利に思えるロフトですが、「意外と使えない」と感じてしまう場合もあるようです。
ロフトを十分活用するための計画のポイントを確認しましょう。
■ 上り下りしやすく
ロフトを使うには、どうしても上り下りの動作が伴います。
特に収納として使う場合、ロフトには季節飾りや客用布団など、出し入れが頻繁でない大きいものや重いものを収納しがち。
重いものや大きなものを持って上る、下る動作はとても危険で大変なものです。
年をとってからもロフトを活用できるように、できるだけ使いやすい固定階段や、移動式階段などを計画しましょう。
■ 天井高を把握する
ロフトには、天井高1.4m以下の規制がありますが、天井高は1.4m以下になってしまう場合もあります。
天井高が低い場所で移動したり、掃除や作業をすることは意外と大変。
不便さや、動きにくさからロフト使いたくなくなってしまう場合もあります。
設計段階で、ロフトの天井高を把握して、実際の高さのイメージの中で移動や掃除機掛けをしてみるなど、シミュレーションしておくといいでしょう。
■ 空調に注意
ロフトをアトリエや子供部屋として利用する場合、空調に気をつけましょう。
特に夏のロフトは暑くなりやすく、「夏は全く使えない」というケースもあります。
エアコンをつけたり、直下階のエアコンの風が行くように工夫するなどして、ロフトの温度が上がりすぎない工夫をしましょう。
用途も色々使えてスペースの有効活用にお勧めです!
ロフトとは何なのか?ということから、計画のポイントまでお伝えしました。
使いやすく、暮らしのスタイルに合ったロフトを計画して、空間を最大限に活用しましょう。