◆家づくりのコラム:住宅の外構について
住宅の外構は、家づくりの際に一緒に計画することが一般的になりました。
外構とは、住まいの外廻りの環境全般のことで、住まいや近隣の環境に合わせて町並みに自然に溶け込むことや、安全に使えることに配慮して計画を行います。
今回は、エクステリアの基本と計画の注意点についてお伝えします。
住宅の外構の基本と計画の注意点
外構で計画される基本的な内容と計画の際に気をつけたいことについて確認しましょう。
- アプローチ
敷地に入った部分から玄関までの通路のことです。
来客や家族が家を訪れた際に必ず通ることになりますので、滑ににくく、凹凸が少なく安全に通行できることに配慮しましょう。
スロープを設ける場合は、なるべく1/15以下の緩やかな勾配にします。
段差ができる場合には、手すりを計画できるといいですね。
- ポーチ
玄関前の空間のことです。
庇を設けることで、雨の日の外出の際や玄関扉の開け閉めの際に、雨の吹き込みを防いだり、傘をさす際に濡れることを防ぎ、玄関扉を日差しや雨によるダメージから守ることができます。
- 舗装
敷地内の地面の仕上げです。
滑らないこと、雨が溜まらないこと、夏の照り返しが少ないことなど、安全性に配慮した上で家の雰囲気や予算に応じて計画をすることが大切です。
舗装を行うことで、湿気や土の跳ね返りや、雑草、害虫を防ぎ、家の美観や構造体を守る役割もあります。
- 塀
敷地と隣地を分けるため、境界に沿って設置されます。
鉄筋コンクリート構造や、積組用コンクリートブロックなど耐震性に十分配慮した安全な構造であることや、不審者の隠れ場所になることがないように死角がない見通しの良いデザインにすることが大切です。
- フェンス
敷地と隣地を分けるため、境界に沿って設置されます。
アルミ製や鋳物製、ステンレス製、木製など住まいの雰囲気に合わせることで家全体を統一感のある雰囲気に演出しましょう。
通りの通行量や近隣の状況に応じて、視線を遮るものと、見通しのきくものを使い分けることで防犯性を高め、プライバシーを守ることができます。
- 門扉
一般的に、道路から敷地に入る部分に設けられます。
簡単に開け閉めができず、乗り越えられない高さにした上で、見通しがきくデザインにすることで防犯性を高めることができます。
- ポスト
敷地の境界付近や、オープンエクステリアの場合は玄関の側に設置することが一般的で、玄関から雨に濡れずに確認できる場所にあると便利です。
表札・インターホンと一体になった機能門柱も人気を集めています。
- カーポート
車のサイズや、将来的な所有台数の見込み、車以外の乗り物の有無に応じてサイズを検討します。
屋根を設ける場合には建築面積に含める必要がありますので、住まいの広さに応じて計画を行いましょう。
- 照明
外構に設ける照明は、住まいの防犯性や安全性を高める大切な役割があります。
アプローチや門扉付近には暖色系の優しい明かりを、死角には威嚇の意味で強い光を放つセンサーライトを設けるなど、設置する場所に応じて適した照明を計画しましょう。
- 植栽
シンボルツリーや生垣、庭など、敷地の中に緑があることで家の雰囲気がやわらかく暖かみがあるものになります。
手入れを楽しむか、なるべくメンテナンスがいらないようにするかなど、生活スタイルに合わせて植栽計画を行うことで暮らしがより豊かなものになります。
- デッキ、テラス
木製やアルミ製、樹脂製などで、住まいの掃き出し窓に面して設置されることが一般的です。洗濯や日光浴など、デッキがあることでより豊かな暮らしをすることができるでしょう。
室内の床材と色や質感を合わせることで空間に広がりを持たせることもできます。
- 水栓
外廻りで水を使うシーンが予想される場合に設置します。
立水栓や散水栓が一般的ですが、雨水を再利用するレインセラーなども注目されています。
園芸が趣味の人はもちろんですが、洗車や水遊びなどにも活躍し、後付することが困難なため、できるだけ新築の段階で計画しましょう。
ご予算に応じて優先順位を決めていく事がポイントです!
住宅の外構の基本と計画の注意点についてお伝えしました。
外構の計画は、新築と同じタイミングで入居前に行うことで家の美観を保ち、日々の暮らしをより豊かにすることができます。
予算計画の段階からエクステリアについても十分配慮して家づくりができるといいですね。
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- 作成者: 佐藤結伽
- カテゴリー: 家づくりのコラム
- タグ: インシュレーションボード, グラスウール, セルロースファイバー, ビーズ状ポリスチレンフォーム, フェノールフォーム, ロックウール, 断熱材, 現場発泡式ウレタンフォーム, 発砲プラスティック, 硬質ウレタンフォーム, 繊維系
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