◆家づくりのコラム:雨樋について
雨樋は、建物を雨から守り、地上に届ける役割があり、住まいが健全に長持ちするために欠かせない設備です。
今回は、住宅に使われる雨樋の役割や、形状、素材や特徴についてお伝えします。
雨樋の役割とは?
雨樋の役割は、建物の屋根や屋上やベランダなどに降り注いだ雨を地上に届けることです。
地上に届けられた雨水は、敷地に浸透させるか、雨水桝などに接続し、下水設備に流されます。
雨樋には、軒樋と竪樋があり、それぞれ以下のような特徴と役割があります。
- 軒樋
屋根の先端(軒先)に水平に取り付けられ、屋根に降り注いだ雨を集め、集水器に届ける役割があります。
- 竪樋
外壁に沿って縦方向に取り付けられる雨樋です。
集水器などに集められた雨水を地上に降ろす役割があります。
雨樋は無くても地上に雨水は落ちていきますが、雨樋がないと以下のような問題が起こります。
- 外壁に雨垂れの染みができる
- 敷地内が水浸しになりやすくなる
- 一箇所に落ちる雨が集中する
- 植栽が痛む
- 雨が集中した部分の地面が傷む
- 地面で跳ねた雨水が建物を汚す
- 隣地や近接した道路に雨水が流れ込む
役割を確認すると、雨樋は住宅に必要不可欠だということがわかりますね。
住宅に使われる雨樋の形状と特徴
住宅に使われる雨樋には、以下の種類があります。
- 角型
- 半円型
順番に特徴を確認しましょう。
- 角型
表面積が広いため、雨水の流水量に優れた特徴があります。
あらゆる建物の外観に馴染みやすく、下から見上げた際にすっきりとした印象になります。
集中豪雨に対応したより多くの水を流すことができる形状のものも登場しています。
- 半円型
その名のとおり、丸を半分にした形状をしていて、角樋と比較すると流せる雨の量は少ないですが、角樋に比べて安価です。
雨樋は住宅が建てられるエリアによって定められている降雨量と屋根の面積に応じて形状や数量が設計されます。
住宅に使われる雨樋の素材と特徴
住宅の雨樋には以下の素材が使われます。
- ガルバリウム鋼板
- 塩化ビニール
- 非塩ビ系合成樹脂
- アルミ
- ステンレス
- 銅
順番に詳しく特徴を確認しましょう。
- ガルバリウム鋼板
住宅の屋根材や水切りとしても使われる素材で、耐久性に優れ、錆に強く、加工しやすい特徴があります。
すっきりとした見た目で、あらゆる建物の外観に馴染みやすく、金属系の素材としては最も普及しています。
金属系の素材の中では最も安価です。
- 塩化ビニール
取り付けや交換が簡単で最も安価なことから、住宅の雨樋として広く普及しています。
紫外線や寒暖差に弱く、経年劣化が早いのも特徴です。
- 非塩ビ系合成樹脂
取り付けや交換が簡単で、見た目は塩ビと変わりませんが、比較的優れた特徴があり、価格も塩ビと比較すると高く設定されています。
リサイクルが可能で環境に配慮された素材のため、普及が広がっています。
- アルミ
錆に強く軽量で、扱いやすく、耐久性に優れています。
塩分に弱い特徴がありますので、海に近い地域では錆びる恐れがあり、避けた方が無難でしょう。
価格は、金属製の中ではガルバリウム鋼板に次いで高い設定がされています。
- ステンレス
ガルバリウム鋼板、アルミニウムよりも高い耐久性と強度があり、錆に最も強いです。
加工に手間がかかるため、高価ですが、強度があるため積雪にも強い特徴があります。
- 銅
日本の伝統的な建築物で古くから使われて来た素材です。
寺や神社などに使われることが多く、経年変化によって緑色に変わる特徴がありとても主趣のある素材です。
加工には技術力が必要で、雨樋の中では最も高価なため、住宅では玄関周りなどの一部分で装飾的な役割も兼ねて使われることが多いです。
北村住建の標準仕様はガルバリウム鋼板です♪
雨樋の役割と特徴についてお伝えしました。
雨樋は、本来の役割を果たすことはもちろんですが、住宅のデザインなど景観に馴染むものを選ぶことも大切です。
家づくりの際には設計士と相談しながら適切な計画ができるといいですね。