◆家づくりのコラム:消費税増税について③
消費税の増税を目前にして、家を買うタイミングを悩まれる方は多いです。
前回までのコラムでは、2019年10月に消費税が10%になることに伴い、以下のことをお伝えしました。
- 注文住宅を消費税8%で購入するためのスケジュール
- 消費税が10%になった後に家を買う場合の本当の値上がり価格
- 注文住宅の購入でほとんどの人が利用できる、増税の緩和措置制度
今回は、前回までのことをふまえて本当に家を買うタイミングを見極めるための3つのポイントについてお伝えします。
消費税が10%になると、住宅購入のための負担金額が増えてしまうことは、一目瞭然。
そのため、多くの人は焦って住宅を購入してしまいます。
世間に流されず、自分たちに合った家を買うタイミングについて、あらゆる視点から見極めましょう。
結局、家を買うタイミングっていつ?見極めるための3つのポイント!
消費税が10%になることで、家を買うタイミングを焦ってしまう時期ですが、以下の3つのポイントをおさえた上で、自分たちに合ったタイミングを見極めることが大切です。
- 年収510万円を超え3000万円以下の世帯は消費税で焦る必要なし
- 駆け込み需要についても理解しておこう
- 資金計画をプロに相談してからでも遅くない
順番に詳しく確認していきましょう。
- 年収510万円を超え3000万円以下の世帯は消費税で焦る必要なし
年収510万円を超え3000万円以下の世帯は、家を購入するタイミングが消費税10%になった後でも負担金額について心配する必要はないと言えます。
それは、以下の理由からです。
- 消費税が10%になることで、すまい給付金が受け取れる対象が年収775万円まで広がるため
- 3000万円以下の収入であれば、高所得の世帯ほど住宅ローン減税で高額の還付金が見込める
特に、住宅ローン減税で最長13年間所得税の還付金を受け取ることができることは見逃せません。
年収3000万円以下で、高所得の世帯は、条件さえ合えば数年以内に還付金によって負担額分以上のお金の戻りが期待できますから、増税で焦る必要はないと言えます。
住宅の駆け込み需要についても理解しておこう
住宅の駆け込み需要とは、消費税が増税することを目前に、住宅の購入希望者が駆け込むようにして市場に殺到することです。
住宅の駆け込み需要が増えることで、住宅市場では以下の影響が考えられます。
- 急激な物価の上昇
物件や資材の価格がはね上がり、買い手が不利な市場になる恐れがあります。
- 工期の遅れや人手不足
家を建てる現場が増えると、その分資材も人手も必要になりますが、あまりにも需要が多いと不足する恐れがあります。
無くてはならないことですが、工期の遅れや管理不足の恐れも懸念されます。
- 増税後の市場逆転
増税後に需要が低くなることで、逆に物価が下がり、買い手が有利の市場になることが期待できます。
増税後の2019年10月以降は、駆け込み需要が終了し、一転して住宅市場は買い手が有利な状況になることが予想されます。
良い買い物をするためには、買い手有利の市場であることは欠かせません。
消費税増税を控えた現在は、まさに駆け込み需要の真っ最中。
この時期にあえて住宅を購入する場合には、駆け込み需要のデメリットについても理解した上で踏み切ることが大切です。
資金計画をプロに相談してからでも遅くない
今が家の買い時と言われるのは、増税だけのことではありません。
現在の金利は史上最低の水準です。将来的に必ず金利は上昇し、返済総額に大きな影響を与えますから、住宅ローンを利用する場合には、絶対に見逃せない状況なのです。
住宅を購入するためのタイミングを見極めるためには、増税だけでなく、金利の状況や、将来的な収入の増減、物件価格、家族計画などのライフプランなど総合的な部分から判断することが大切です。
専門的な知識を持った不動産アドバイザーや、ファイナンシャルプランナーなど、資金計画のプロに相談して、資金計画についての不安を解消した上で住宅の購入に踏み切ることもおすすめですよ。
3回にわたり、消費税増税に関する基本的な知識と、伴って考えたい家を買うタイミングの見極め方についてお伝えしました。
何度も言うようですが、家は多くの人にとって一生に一度の買い物です。
特に注文住宅は、完成までに多くの時間を必要とします。
世間の流れに惑わされず、焦らずじっくりと検討した上で納得できる家づくりができるといいですね。
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。