◆家づくりのコラム:洗面台について
普段何気なく使っている洗面台ですが、そこでは日々様々な動作が行われています。
顔を洗うことや、手を洗うことはもちろんですが、洗濯物の漬け込みや、予洗い、水汲み、歯磨き、うがい、洗髪等に使用する方も多いのではないでしょうか。
今回は、様々なタイプの洗面台とその特徴についてお伝えします。
日々行われている洗面台での動作を把握し、洗面台の形状やその特徴を知ることで、より暮らしやすい住まいを実現させることに繋がります。
洗面台の種類
洗面台は、各水廻りメーカーから販売されているシステム化されたタイプと、ボウルや水栓を選び、組み合わせて使うタイプに分けられます。
日本の住宅では、水廻りメーカーから販売されているシステム化された洗面台が主流ですが、ボウルから選ぶタイプの洗面台は、材質やデザインにこだわりのある方から支持を集めています。
それぞれの種類と特徴について確認してみましょう。
・洗面化粧台
水廻りメーカーや大手家具メーカーから販売され、収納、ボウル、水栓、排水、鏡、照明、等が一体になっています。
全ての人に使いやすく、清掃性や日本人の生活スタイルに合わせた機能性を重視しているため、最も使いやすいと言えます。
機能性を重視していることから、デザインに限りがあるため、こだわりを持つ方は物足りなさを感じることがあるかもしれません。
・カウンタータイプ
水廻りメーカーから販売され、システムキッチンのような感覚でボウル、カウンター、収納、水栓金具を選び、組み合わせるタイプの洗面台です。
機能性や清掃性を保ちつつ、洗面化粧台よりもデザイン性が高いことが特徴です。
洗面化粧台よりもグレードが高いことが多く、高級感があります。
・洗面ボウル
住宅設備機器メーカーや洗面ボウル専門店から販売され、幅広いデザインと材質、価格帯から選ぶことができます。
主に造作の洗面台に使用されることが多く、オリジナルのデザインを求める方や間取りに合わせた洗面台が必要な方に人気です。
清掃性や機能性は組み合わせや取り付け位置によって異なるため、何を重視したいのかよく考えながら選ぶ必要があります。
代表的な形状は、埋め込み型(カウンターに埋め込むタイプ)、半埋め込み型(ボウルの半分をカウンターに埋め込むタイプ)、置き型(カウンターの上に置くように設置するタイプ)、壁付け型(壁面に直接取り付けるタイプ)です。
それぞれボウル下のスペースの確保や、使いやすさ、デザイン性、清掃性で異なりますので、写真や実物をよく確認した上で選択できるといいですね。
洗面ボウルの材質
洗面台で一番大切なのがボウル部分ですが、そのボウル部分の材質もデザインや使用感に影響を与えます。
一般的に使われる洗面ボウルの材質と、それぞれの特徴について確認してみましょう。
・陶器製
陶器は、私たちの生活に古くから寄り添い、大変馴染みのある材質で、割れない限り半永久的に使うことができる高い耐久性と、高級感が特徴です。
洗面所周りでよく使われる化粧ビン等を落とすと簡単に割れてしまうことや、重量があることがデメリットとして挙げられます。
・ホーロー製
ホーローとは、鋳物にガラス質を焼き付けたもののことで、高い耐久性、耐火性、耐酸性、耐アルカリ性を持ち、キズに強く掃除しやすいことが特徴です。
磁石もつきます。
陶器のように割れることは滅多にありませんが、強い衝撃が加わると表面のガラス質が欠けてしまうことがあります。
・樹脂製
樹脂をボウル状に成型して作られるもので、衝撃に強く、割れることがありません。
カウンターと一体成型することも出来、継ぎ目が無く、掃除がしやすく衛生的な洗面台を作ることができます。
キズがつきやすいため、お手入れ方法には注意する必要があります。
一般的なものは光沢がなく、陶器やホーロー比べると安っぽく見えますが、高いグレードのものは大理石のような質感があります。
・ステンレス製
キッチンでは一般的なステンレスは、耐久性に優れ、洗面ボウルとしても長く美観を保ちながら使うことができます。
衝撃に強く、割れることがありませんが、キズはつきやすいです。
独特な存在感とシャープな印象でデザイン性の高い洗面所を演出することができます。
様々な洗面台の種類と特徴についてお伝えしました。
洗面台は毎日使うものなので、家族の形態や、重視する機能性に応じて、使用感をシュミレーションしながら選べるといいですね。
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。