◆家づくりのコラム:エクステリアについて
住宅の新築工事の際には、ついつい住宅本体のことばかりを考えてしまいがちですが、お庭や駐車場、アプローチを快適に使うための計画もとても大切ですよね。
住宅のお庭や外回りのことを、外構・エクステリアと呼びます。
エクステリアの計画は、基本を押さえた上で、有効活用できるものにしたいですね。
今回は、そんなエクステリアについて解説します。
エクステリア・外構の計画ポイント
エクステリアの計画で心がけたいことは、住宅内部と同じく安全で使いやすいことと言えます。
特に外回りは住宅の内部とは違い、通りすがりの方や配達に来た方にも触れる場所ですので、万が一転倒や崩れてケガを負わせてしまうことの無いように特に安全面には考慮します。
まずは、部分ごとに計画時に気をつけたいことを確認してみましょう。
アプローチ
土地への入り口となる部分から、玄関までの通路をアプローチと呼びます。
多くの方が通ることになりますので、安全面に特に気をつけたい部分です。
植栽を計画すると、住宅の印象が華やかになります。
計画のポイント
・滑りにくい床材で舗装する。
・スロープで段差をカバーする場合、1/15以下の勾配にする。
・止むを得ず段差や階段を計画する場合、手すりをつける。
門扉、フェンス、塀
治安や、法律、近隣の町並みに充分配慮します。
隣地との境界や、防犯面にも気を使い、土地のおかれた状況に応じて適した計画をしたいですね。
計画のポイント
・境界線上に塀を設ける場合は、お隣と所有権を明確にしておく。
→将来的な争いを防ぐためにも、自分の土地の中に計画した方が無難です。
・不審者が隠れられない、見通しが効く計画にする。
・安易に乗り越えられない高さを確保する。
・人通りの多い道に面している場合は視線を遮るものでプライバシーを守る。
・近隣の状況に合わせて、コストが抑えられるオープンスタイルも検討できる。
駐車場
乗車の際の出入りの利便性はもちろんですが、現在持っている車の大きさだけでなく、将来性も考慮して広げたり狭くしたりできるよう計画ができるといいですね。
計画のポイント
・最低限奥行きを5m以上、幅を2.5m以上は確保する。
→一般的な乗用車を難なく駐車できます。
・床面の舗装は割れにくいものにする。
・カーポート屋根を計画する場合、建築面積に気をつける。
・住宅への動線に考慮した位置に計画する。
・洗車用の水栓計画も考慮する。
ポスト
多種多様なデザインが楽しめるので、コストやお好みに応じて選定したいですね。
最近では、戸建住宅でも捺印機能や宅配ボックスの役割を果たす郵便受けが人気を集めています。
計画のポイント
・なるべく雨に濡れずにチェックできる場所に計画する。
・オープンスタイルの場合は機能門柱も検討する。
・住宅とのコーディネートに考慮する。
照明
外構の明りは、日没後にとても重要な役割を担う部分です。
設置する箇所に応じて適した器具を計画したいですね。
計画のポイント
・アプローチには、家族やお客さんを迎えるような優しく点灯する照明を取り入れる。
・死角になる部分には、不審者への威嚇になる防犯ライトを設置する。
・点灯時間が長くなるので、省エネに考慮してセンサーを有効活用する。
エクステリアの計画次第でもっと生活が豊かに
基本的な部分に加えて庭として活用できるスペースがある場合は、住まい手の生活スタイルや、要望に合わせて暮らしが豊かになるような計画したいものです。
植栽を計画する場合でも、住まい手の方が多忙な場合は植栽が負担にならない計画にする必要がありますし、逆に庭いじりが趣味の方の場合は、あえて手がかかる計画にする必要があります。
外周りに限らず、屋上で緑を楽しむ屋上緑化も土地の状況や要望に合わせて取り入れたいですね。
また、愛犬家の方の住宅の場合、庭にスペースが確保できればドッグランを計画すると体調が悪い日や、雨の日でも愛犬のストレス解消に役立ちます。
その際は、愛犬の足に優しい舗装材や給水場、足洗いの水栓計画にも考慮したいですね。
エクステリアの計画について解説致しました。
先にお伝えした通り、安全で使いやすいことはもちろんですが、住む方の生活に寄り添い、家にいる時間が充実し、時には安らぎを与えてくれるようなものにしたいですね。
後回しにされる場面も見受けられるエクステリアですが、住宅内部の計画と同じく、丁寧に時間をかけて計画をしていきたいですね。
◆ 執筆者プロフィール ◆

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。